Bougainvillea

エッセイのようなもの

化粧

一昨日と昨日、僕は化粧をした。

 

 

僕は男性である。普段は化粧をしない。すっぴんだ。

 

 

巷で「メンズメイク」という言葉を聞くようになった。そして、「男性がする化粧」に僕は興味を持った。別にMattを目指しているわけではないが、化粧をしたら自分の顔面がどれほど変わって見えるのか、試したくなった。

また、普段化粧をする女性の気持ちに、ほんの少しだけ近づいてみたかった、ということもあった。

 

 

 

昨年の暮れ、帰省の折に、僕はルミネ有楽町にある「シャネル フレグランス&ビューティ」へ行き、ファンデーションとアイブロウペンシルを買った。

それらを買う際、お試しで化粧をしてもらったが、やはり顔面はだいぶ違って見えた。

妹には「いつもよりかっこよく見える」と言ってもらった。間違いなく化粧の効果である。

 

 

 

 

一昨日、初めて自分で化粧をした。

化粧をする前の洗顔、化粧水、乳液の3点セットに始まり、化粧下地、ファンデーション、パウダー、アイブロウペンシル、ノーズシャドウと続いた。

はじめからおわりまで1時間かかったが、これは工程の途中に普段のモーニングルーティンを挟んだためである。

 

 

その一昨日は仕事をしていたが、何があったかというと、職場に学生さんがインターンシップのために訪れたのである。

学生さんの他に、本社から人事部の女の子が2人、会社説明とインターンシップ同席のために訪れた。

学生さんは女の子だという。

人事部の2人も女の子だと知っている。

 

 

翌日(すなわち昨日)に日向坂の個別握手会を控えていた僕は、「またとないメイク練習の機会だ」と考えた。

 

 

一昨日、化粧をしていることは全く指摘されなかった。

それだけナチュラルメイクだったのだろうか。

 

 

人事部の女の子の1人(先輩です)からは

 

化粧してたの!笑

気づかなかった!笑

なにしてたの?

 

と、返答が来る始末であった。

 

 

また、化粧の時間について、

 

今日は学生対応だからフルメイクだったけど、普段なんて10分で終わる笑

 

とのことであった。

どうも彼女は乳液をつけないそうだが。

 

 

 

昨日は、前述のとおり、日向坂の個別握手会へ行った。

3人のメンバーと握手し、2人のオタクとお話しした。

化粧については、前日にトライアルをしたこともあり、20分強で済ませることができた。

それでも人事部の先輩よりはずっと長くかかっている。

 

 

化粧をしたことを伝えると、

東村芽依ちゃんは「へ〜そうなんだ〜すご〜い」と、

丹生明里ちゃんは「ほんとに…あっ!いつもより肌白いな〜って思ってた!」と言ってくれた。

 

 

 

ここからは、化粧をした感想を述べる。

 

 

まず、至極当然のことだが、化粧をしたからといって世界が変わって見えるわけではない。

変わって見えるのは自分の顔面だけだ。

 

 

女性のすっぴんに対する認識と、男性のすっぴんに対する認識に決定的な違いがあることが一因だろう。

女性は、外出して誰かに会うようなときは、化粧をする人が圧倒的多数である。一方、男性は、普段から化粧をする人はごく少数である。すなわち、男性はすっぴんでいる人のほうが圧倒的多数である。

 

 

結果として、僕がした化粧というのは、自己満足にすぎなかったのである。

色合いが鮮やかでおしゃれな服を着ること。独創的なストールの巻き方をすること。髪型を整えること。これらと同列である。

 

 

僕は化粧をしたことで、何を求めたのだろうか?

誰かから「えっ化粧してるの?」と言われたかったのか、「今日のYouはいつもよりかっこいいね」と言われたかったのか。承認欲求がある以上、否定できない。

 

 

Twitterのタイムラインで、承認欲求がどうのこうの、というツイートを見ることがある。過剰な承認欲求は人を不快にさせるが、ある程度の承認欲求は誰しも持っているものだ。相手に承認欲求があるからといって、むやみやたらにその相手を叩くのは良いことではない。自分の顔面や服などが良いと思えば晒したくなるでしょ。

 

 

 

少し話がそれたが、化粧品を買ったこと、また化粧をしたことに後悔はない。世の女性がするような化粧を体験できたということがなにより嬉しい。

前述した人事部の先輩いわく、「女の子は老いを隠すために命懸け」だそうだ。世の女性の努力には頭が上がらない。

 

 

 

またいつか、僕は化粧をするだろう。そのときにはどのような気持ちを抱くのだろうか。楽しみである。